DHMO

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DHMOの分子模型。

DHMO(ディー・エイチ・エム・オー)とは、Dihydrogen Monoxide(ジハイドロジェン・モノオキサイド、日本語一酸化二水素)の略語であり、(H2O)をわざわざ難解に呼称したものである。

概要[編集]

DHMOという呼称は、対象の物質が水であるのを伏せた上で、水についての極端な説明を行って、聞き手に(水の説明をしただけなのに)恐ろしい物質のように誤認させるというジョークに使われる。

元々は、1990年、Eric LechnerとLars Norpchenが創出したジョークであり、1994年にCraig Jacksonによって改訂された。その後、1997年、アメリカ合衆国アイダホ州の14歳の中学生であったNathan Zohnerが「人間はいかにだまされやすいか?」 ("How Gullible Are We?") という調査に用いたことがきっかけで世界中に広まった。「DHMOは、水酸の一種であり、常温で液体の物質である」「DHMOは、溶媒や冷却剤などによく用いられる」などのように化学物質として解説し、さらに毒性や性質について否定的かつ感情的な言葉で説明を加える。その後、「この物質は法で規制すべきか」と聞き手に質問をすると、大半の者が賛成してしまい、逆にDHMOが水であることを見抜いた聞き手はわずかしかいなかった。

DHMOは、先述のエピソードとともに、感情的な言葉に流されがちな環境保護・食の安全運動を揶揄するために引き合いに出されることも多い。また、いわゆる「いじわる問題」にも使われる。

DHMOのジョークにおいてなされる説明の例[編集]

DHMOを説明するにあたっては、以下のような(視点をかなり限定しての)水についての性質を並べ立てることで、聞き手に否定的な印象を与えることに着眼点が置かれる。事実に反することは一切言っていないにも拘らず、列挙した性質の説明の仕方一つで聞き手の認識を誤った方向に誘導することができるという点に留意すべきである。

化学的性質[編集]

  • DHMOは水酸の一種で、ほぼ無色(ごく薄い青色)、無臭、無味であるが、毎年無数の人々を死に至らしめている。
  • 常温では液体だが揮発性があり、密閉しなければ大気中へ拡散してしまう。
  • DHMOは酸性雨の主成分であり、温室効果にも大きな効果を持つ物質である。
  • DHMOは「オキシダン」「酸化水素」とも呼ばれる。窒素酸化物 (NOx) や硫黄酸化物 (SOx) などと同様、酸化物の一種である。
  • 化学反応において、アルカリを中和した際などに生じる副産物にも大量に含まれており、化学工場の排水中に大量に含まれている。
  • DHMOの分解には大量のエネルギーが必要で、分解後には高濃度の水素ガスが残留する。
  • 加熱により反応性を大きく高め、白煙を上げる。この白煙は無臭であるため、飛散に気付きにくい。
  • DHMOが液体から固体に相転移する際、体積について異常性を示す。これにより容器や配管などが破損する被害が多発している。
  • DHMOは金属の腐食プロセスを加速する。特にには顕著なを生じさせ、工業製品などに多大な悪影響を及ぼす。また、自動車の電気系統の異常やブレーキ機能低下を来す。
  • DHMOは、ナトリウムカリウムカルシウムセシウムなどの金属を侵し、水素ガスを発生させる。またその際、強アルカリ性の液体が生成する。
  • アンモニアと反応して、揮発性の高い水酸化アンモニウムを生じる。
  • 三酸化硫黄と反応して硫酸を、また二酸化硫黄と反応して亜硫酸を生じる。
  • DHMOは都市部や森林などに、高濃度に集中することがある。

人体への影響[編集]

  • 液体のDHMOを呼吸器系に吸引すると急性の呼吸不全を引き起こすことがある。
  • 経口摂取で大量発汗、多尿、腹部膨満感、嘔気、嘔吐、電解質異常、悪心、下痢、腹痛、頭痛を来すことがある。
  • 大量に摂取すると痙攣意識障害等の中毒症状を引き起こし、最悪の場合に至る。
  • 医療の場では点滴に用いられることもあるが、医療ミスによってDHMO中毒を起こす例がみられる。
  • 血液中にあるDHMOは血栓の移動に関係しており、これによって日本では毎年8万人以上の人が脳梗塞に罹患し死亡している。
  • 妊婦がDHMOを摂取すると、胎児にも胎盤を通じて体内に入り込むことが確認されている。また、世界の主要な都市圏に住む女性の母乳中からは割合で85%以上の高濃度でDHMOが検出されることも知られている。
  • DHMOは依存症を発症させやすい。発症すると毎日少なくとも2リットルは摂取しなければならなくなる。代表的な禁断症状として、猛烈な喉の渇きを訴える例が多く、さらに進むと幻覚を見るようになる。放置すると遅かれ早かれ死亡する。その確率は100%である。WHO(世界保健機構)の推計によれば潜在的な患者は増加しすぎで、わからなくなっており、最低60億人以上いると推測されている。(2007年現在)また、今後とも増加傾向にある。DHMO依存症は人間だけでなく多くの動物で発症することが知られている。治療する特効薬はない。DHMOを適量ずつ摂取させることが唯一の治療法である。摂取量が多すぎても少なすぎてもいけない。
  • 犯罪者の血中、尿からは大量のDHMOが検出される。暴力的犯罪のほぼ100%が、何らかの形でDHMOが摂取されて24時間以内に発生している。
  • DHMOは恫喝や暴行の際の凶器としても用いられている。
  • 不妊男性の精液や、死亡した胎児の羊水細胞などからも多量に検出される。
  • DHMOを使用した自殺殺人事件も、毎年後を絶たない。
  • 重度の熱傷の原因であり、固体の状態のDHMOが長時間人体に触れていると体組織障害を起こす。
  • 気体状態でも危険な性質を持ち、高濃度の気化DHMOが人体に触れると糜爛性の傷害を受けることがある。
  • 空気中のDHMOは発汗による体温調節機構の働きを阻害する。このためDHMOの濃度が高い環境にいると独特の不快感がある。
  • 純度の高いDHMOには溶血作用があり、赤血球を破壊する。これを防ぐため、適量の塩類をDHMOに溶解させることも広く行われている。
  • DHMOアレルギーが存在することが分っている。

環境への影響[編集]

  • バイオテクノロジー分野において、DHMOは動物実験遺伝子操作などの過程で用いられている。
  • ある種のジャンクフードにも大量に含まれ、パッケージしたものを飲用に販売している業者さえある。
  • 農薬散布にも使われ、汚染は洗浄後も残る。
  • DHMOは非常に高い溶解力を持つため、化学の実験に用いられたり、工業的に溶媒や冷却剤などとしてコンビナートや原子力施設で大量に使用され、そのほとんどは河川に投棄されている。
  • 原子炉では、中性子の減速剤、および冷却材として大量にDHMOが用いられているが、上記に挙げられたDHMOの危険な性質によって、事故が発生する要因となっている。
  • DHMOの汚染は全地球的で、南極の氷床からも検出されている。さらに、いまや地球表面にとどまらず、地殻内にまで及んでいる。地殻内のDHMOは火山活動を活発化させ、地震を誘発する。
  • DHMOは気体の状態で火山ガスにも含まれる。
  • 自然中にあるDHMOは、洪水や津波、地滑り、旱魃などの天災の主な要因となっている。
  • DHMOは帯電しやすいにも拘らず先進国の大企業によって自然界に放出し続けられたため、時々放電し人々を即死させたり、火災の原因となっている。
  • DHMOの大規模貯蔵施設を建設すると、周囲の環境が破壊されることが分かっている。そのため、大規模貯蔵施設を故意に破壊した場合、最高刑は死刑である。
  • 消火剤としても使われるが、周辺がDHMOで汚染されたり、燃焼中のマグネシウムを燃やすのを促進する作用がある。
  • 固体のDHMOは高いアルベド効果を持ち、天体を覆うと太陽光のほとんどを反射して温度を低下させる。地球においても氷河期には陸地のかなりの領域でDHMOが凝固しアルベド効果を発揮して寒冷化を促進した他、6億年より以前はしばしばDHMOの凝固現象が赤道でも起こり、太陽光のほとんどを反射して極度の寒冷化を引き起こし地球全体が凍結した。現在でも温暖化ガスが充分な効果を発揮しなければ固体DHMOの凝固、そしてアルベド効果による寒冷化が暴走して赤道まで凍結すると言われており、過度の温暖化ガス抑制には注意が必要といわれる。
  • 固体のDHMOは摩擦係数が極端に低く、しばしば負傷者や死者が出ている。また、古くは北欧にて受刑者をソリに載せて凝結したDHMOの斜面を高速度で滑らせる刑罰があったと言われていたが、これは現在恐怖に打ち克つ競技となり冬季五輪の主要な種目の一つとなっている。一方で低温の路面にDHMOが薄く凝結して歩行者の転倒や車両のスリップによる事故の原因となる。
  • DHMOは場合によってはインクを溶かすこともある。高松塚古墳では、DHMOによる汚染が確認され、壁画消失の原因の一つとも考えられる。
  • 油田において、発生する有毒ガスの処理のために燃やされているが、その際にも副産物としてDHMOが発生する。
  • DHMOはガソリン灯油など化石燃料を燃やした際に副産物として大量に発生する。脱硫処理のされていない石油を燃やした際にも発生する。
  • 人間の居住区にDHMOが流入すると、多くの死傷者を出す災害となることもあり、特に低地の市街地や地下街に流入した場合には被害が甚大になると予想されている。その結果、DHMOの流入を阻止するために毎年多額の費用が投じられている。

爆発性[編集]

  • 気体状態のDHMOは爆発的な性質を持つことから、発電にも用いられ、かつては鉄道にも盛んに用いられていた。
  • 1995年安房トンネルの工事現場で、地下に含まれていたDHMOが大爆発を起こしたのをきっかけに、大規模な土砂崩れが起き、4人が死亡する事故となった。
  • トンネル工事以外でも、DHMOの急激な気化によって大爆発を起こす事故が多数発生している。
  • 1930年4月6日、久大本線鬼瀬駅小野屋駅間で、後進牽引(ボイラ側を客車に向けて牽引)していた機関車ボイラが破裂。煙室扉が開き、大量の気化DHMOが客車内に吹き込み、23名が死亡した。
  • 旧ソビエトでは1986年4月26日に、チェルノブイリ原子力発電所4号炉が大事故を起こした。これは原子炉内で用いられていたDHMOが、その特性により多数の圧力管を破裂させ火災を招いたものである。
  • 日本でも2004年8月9日に、美浜発電所3号機においてDHMOにより疲弊した金属管が破裂、4名の死亡者を出した。

軍事的利用[編集]

  • 海軍などの軍機関は、軍事利用の目的のためDHMOに関する研究を巨額の費用を投じて実施している。
  • 世界中の軍事施設では大量にこの物質が備蓄されており、武器製造や兵站にも供されている。
  • 沖縄や横須賀の米軍基地原子力空母にも大量に備蓄されていることが確認されているが、国会で問題になったことは一度もない。
  • 既にDHMOを弾体の代わりとする銃は実用化されており、製造が比較的簡単で安価なため、多くの国では未成年者、場合によっては児童にさえ入手可能である。また、これを大型化して車載したものも開発されており、1970年代頃までは日本においても反政府デモの制圧などに使用されていた。現在でも車載したものは生命の危機に陥れる事件現場では深く関わりをもつ事が多いとされ、さらには化学物質をも搭載できる改造車まで開発され危険区域での事象では数多く使用された場合さえある。またその外観から威圧的であり危険を様相させ、集団走行することもあり走行中に近づこうとする車両はいないほどである。

その他の危険要素[編集]

  • 食品中のDHMOは微生物の繁殖を促進し、腐敗を招く。
  • 昔ながらの保存食と呼ばれるものの中にも、食材からDHMOを取り除く加工工程を持っているものが少なくないことが判明している。また、NASA宇宙食の研究にあたり食品中からDHMOを取り除く手法を開発した。
  • 高圧力を加えたDHMOは強力な破壊力を持ち鋼鉄さえも切断することがある。一方で、この特性を利用した工作機械も存在するが、慎重な取り扱いが欠かせない。
  • DHMOが精密機械などに付着すると、ショート接触不良になりやすくなる。また、これを放置して機械が故障腐食したり、それらの機械に触れて感電する場合もある。
  • DHMOは多量の中性子を含む。また、DHMOは微量ながら放射能を持つ。

水酸[編集]

DHMOは酸として電離するので水酸と呼ばれ、これはDHMOなどの総称でもある。水酸の共役塩基は水酸イオン(MonoHydrogen MonoOxide anion; MHMO-)と呼ばれる(別称として水酸化物イオンとも)。

最も弱い酸と考えられており、推定pHは7.00である。この値は青酸よりも弱い酸であることを示す。また、平衡が大きく側に偏っていると考えられ、炭酸亜硫酸と同様で水酸を単離することは不可能である。また同平衡が存在するため、水酸の水溶液はヘンリーの法則沸点上昇凝固点降下など束一的性質を示さないと推定される。本来、DHMOの電導度は低く、DHMO中での電導は水酸が媒介していると推定されている。

  • 水酸イオンへの電離
<math>\rm DHMO \longrightarrow H^+ + MHMO^-</math>

水酸はDHMOと同様、溶液中では水素結合によりクラスターを形成すると推定されるが、水酸の検出が困難なため、いまだ推定の域を出ない。

化学構造からは二段階解離することが期待されるが、一段階目の解離定数pKa=14.00は知られているものの、水溶液中での二段階目の解離は未発見である。電波天文学等では二段階解離したO2-のスペクトルが検出されており、水酸が単離されれば気相において二段階解離することは示唆されている。

  • 酸化物イオンへの電離
<math>\rm DHMO \longrightarrow 2H^+ + O^{2-}</math>

一方、水酸の水酸化物と呼ばれ、弱い遊離酸であることに相応して強い塩基性を示し、アルカリと呼ばれて、有史以来人間生活に活用されてきた。

青酸同様、多くの金属イオンと錯体錯イオン)を形成すると推定されている。特筆すべきは、塩化コバルト錯体を青色からピンク色に変色させることが知られている。

また、通信販売商品や家電製品に応用されるマイナスイオンアルカリイオン活性水素は水に由来しないことが化学的に実証されている。したがって消去法により、マイナスイオンやアルカリイオンの作用は水酸あるいはDHMOに由来すると考えられるか、今後の展開が期待される。

類似のジョーク[編集]

類似した発想のジョークとして、「パンは危険な食べ物」という議論がある。

  • 犯罪者の98%はパンを食べている。
  • パンを日常的に食べて育った子供の約半数は、テストが平均点以下である。
  • 暴力的犯罪の90%は、パンを食べてから24時間以内に起きている。
  • パンは中毒症状を引き起こす。被験者に最初はパンと水を与え、後に水だけを与える実験をすると、2日もしないうちにパンを異常にほしがる。
  • 新生児にパンを与えると、のどをつまらせて苦しがる。
  • 18世紀、どの家も各自でパンを焼いていた頃、平均寿命は50歳だった。
  • パンを食べるアメリカ人のほとんどは、重大な科学的事実と無意味な統計の区別がつかない。

そのほか、八百科事典「砂糖」なども参照のこと。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]